お茶には強力な殺菌作用があります。ということは、お茶を飲むことで腸内の人体に有益な最近まで全て死滅させてしまうのかというと、どうもそうではないようです。
現在までの研究によると、お茶のカテキン類は、人体にとって悪性の菌は殺すけれど、ビフィズス菌など人体に有益な菌に対しては、殺すどころかかえってその増殖を助けることがわかったのです。しかも、極少量でも強力な活性効果があるということです。
また、細菌だけでなくウイルスに対してもお茶が効果をあらわすことがわかってきています。
例をあげると、ロタウイルスという乳幼児にたいして激しい下痢を起こす非常にたちの悪いウイルスがいますが、お茶によってその症状を防ぐことができるのです。
ウイルス性ではなく、寝冷えや水分の取りすぎなどによる下痢は、渋いお茶を飲むことで治めることができます。これは、お茶に含まれるタンニンが下痢止めの働きをするだけでなく、冷えたお腹を温めるからでもあります。神経性の下痢でも異常な腸の機能を正常に戻してくれるのがお茶なのです。
お茶は便秘にも有用
便秘という言葉をよく聞くと思いますが、改めて病気というほどではないと思われるかもしれません。しかし、体の循環機能にとって排出がうまくできないということは深刻な問題です。便秘をそのままにしておくと、美容によくないだけでなく、痔疾になったり、高血圧などの生活習慣病にもなりまねません。
便の排泄が滞るということは、本来は不要な有害物質まで体内に滞留させることになるので、ガンなどの遠因になる可能性すらあります。
寝起きのお茶が便秘に効果あり
慢性の便秘の方は、朝起きたらまず一杯のお茶(これは紅茶でも中国茶でも、むろん日本茶でも何でもよいです)を飲むことです。 こうした刺激を腸に与えて、少し体を動かすとすぐに便意をもよおすようになります。生活を整えるためにも朝は早めに起床して、時間的余裕を持つ必要があるでしょう。
また、口の渇きをともなった老人性の便秘には、特に紅茶を飲むとよいでしょう。
お茶が、便秘にも下痢にも有用に働くというのは、ちょっと考えると矛盾するように思えますが、下痢にしろ便秘にしろ、不自然な腸の働きを正常に戻すのだと考えれば、お茶の整腸作用もおわかりいただけるでしょうか。