一杯の紅茶から広がる、豊かな世界
香り、味わい、歴史、文化…紅茶は、私たちに様々な楽しみを与えてくれる奥深い飲み物です。世界中で愛される紅茶には、数え切れないほどの種類があり、それぞれに個性と魅力があります。
このブログ記事では、紅茶初心者の方から、もっと紅茶を深く知りたい方まで、紅茶の世界を存分に味わっていただくためのガイドとして、様々な情報を発信していきます。
紅茶の種類を分類する3つの視点
紅茶の種類を分類する方法はいくつかありますが、ここでは代表的な3つの視点をご紹介します。
1. 産地
紅茶は世界各地で栽培されており、産地によって異なる特徴があります。
インド
力強いコクと豊かな香りが特徴。代表的な銘柄は、ダージリン、アッサム、ニルギリなど。
スリランカ(セイロン)
軽やかで繊細な香りが特徴。代表的な銘柄は、ウバ、ヌワラエリヤ、ディンブラなど。
中国
独特な香りとまろやかな味わいが特徴。代表的な銘柄は、ラプサンスーチョン、祁門(キーモン)、鉄観音など。
2. 紅茶の製法
紅茶の製法は、大きく分けて以下の4つの工程摘採、萎凋、揉捻、発酵、乾燥、仕上げがあります。
1. 摘採(てきさい)
茶葉を摘み取る工程です。紅茶の品質は、この摘採の時期と方法によって大きく左右されます。一般的には、新芽と2枚目の葉を摘み取り、若芽を使用します。
2. 萎凋(いちょう)
摘み取った茶葉を、自然または人工的に乾燥させる工程です。萎凋によって、茶葉の水分の量を減らし、発酵に必要な酵素を活性化させます。萎凋時間は、茶葉の種類や気温、湿度によって異なりますが、一般的には数時間から24時間程度です。
3. 揉捻(じゅうねん)
茶葉を揉みほぐす工程です。揉捻によって、茶葉の細胞が破れ、酸化酵素が活性化されます。酸化酵素は、茶葉の成分を変化させ、紅茶特有の色合い、香り、味わいを作ります。揉捻方法は、茶葉の種類によって異なりますが、代表的な方法としては、ローターバンや揉切機などがあります。
4. 発酵(はっこう)
茶葉を空気に触れさせて、酸化させる工程です。発酵によって、茶葉の成分が変化し、紅茶特有の色合い、香り、味わいを作ります。発酵時間は、茶葉の種類や気温、湿度によって異なりますが、一般的には数時間から24時間程度です。発酵が進むにつれて、茶葉の色は緑色から赤褐色へと変化し、香り and 味わいも深くなります。
5. 乾燥(かんそう)
発酵が終わった茶葉を乾燥させる工程です。乾燥によって、茶葉の水分を減らし、保存性を高めます。乾燥方法は、熱風乾燥や遠赤外線乾燥などがあります。
6. 仕上げ
乾燥した茶葉を、大きさや形状によって選別し、必要に応じてブレンドしたり、香り付けしたりする工程です。仕上げによって、紅茶の品質や味わいを調整します。
3. 紅茶の品種
紅茶は、茶樹の品種によって異なる特徴があります。
- アッサム種
大葉種は、放置すると樹木のように成長する性質を持つのが特徴です。そのため、喬木性と呼ばれることもあります。
大葉種の葉は、一般的に小葉種よりも大きく、厚みがあります。また、葉脈が柔らかく、タンニン含有量が多いのも特徴です。タンニンは、紅茶や烏龍茶の渋みや苦味、深い味わいを生み出す成分です。
大葉種は、耐寒性が弱いため、温暖な気候地域で栽培されます。主な生育地域としては、インドのアッサム地方、中国雲南省、スリランカ、アフリカ、インドのダージリン低地などが挙げられます。
大葉種の葉は大きいため、摘採の手間が少なく、収量も多いという効率的なメリットがあります。 - 中国種
小葉種は、放置しても樹木にならず、潅木性の植物です。葉は小さく、アミノ酸含有量が多いことから、主に緑茶に適した品種とされています。
耐寒性に優れているため、厳しい気候条件にも耐えうるため、高地における紅茶用品種としても使用されます。しかし、収量が少なく、希少性から高級茶となることも多いです。
主な生育地域は、中国、日本、インドのダージリン、スリランカ、ロシア、トルコなどです。 - ハイブリッド種
近年、紅茶や烏龍茶の栽培において、大葉種と小葉種を掛け合わせたハイブリッド茶が注目されています。ハイブリッド茶は、大葉種と小葉種のそれぞれの良い特徴を受け継いだ新しい品種であり、近年人気が高まっています。
紅茶の種類とそれぞれの特徴
紅茶は、世界中で愛される飲み物ですが、産地や製法によって様々な種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。ここでは、代表的な紅茶11種類について、それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
1. ダージリン
インド北東部のヒマラヤ山麓で栽培される紅茶です。標高によって3つのグレードに分けられ、高地ほど繊細な香り and 味わいになります。
特徴
- 香り: 軽いマスカット香、フローラル香
- 味: 軽やかで爽やか、渋み少なめ
- グレード: ファーストフラッシュ、セカンドフラッシュ、オータムナル
- おすすめの飲み方: ストレートティー
2. アッサム
インド北東部のブラフマプトラ川流域で栽培される紅茶です。世界三大紅茶の一つに数えられ、濃厚な味わいが特徴です。
特徴
- 香り: 麦芽香、木質香
- 味: 濃厚で力強い、渋み強め
- おすすめの飲み方: ミルクティー、チャイ
3. ニルギリ
インド南部のニルギリ山地で栽培される紅茶です。爽やかな香りと軽やかな味わいが特徴です。
特徴
- 香り: 柑橘系の香り、ベルガモット香
- 味: 軽やかで爽やか、渋み少なめ
- おすすめの飲み方: ストレートティー、アイスティー
4. ウバ
スリランカ南部のウバ地方で栽培される紅茶です。力強い香りと濃厚な味わいが特徴です。
特徴
- 香り: 松脂香、ベルガモット香
- 味: 濃厚で力強い、渋み強め
- おすすめの飲み方: ミルクティー、チャイ
5. ルフナ
スリランカ中部のルフナ地方で栽培される紅茶です。バランスの良い香り and 味わいが特徴です。
特徴
- 香り: 柑橘系の香り、フローラル香
- 味: 中庸でバランスが良い、渋み中程度
- おすすめの飲み方: ストレートティー、ミルクティー
6. ヌワラエリヤ
スリランカ中部のヌワラエリヤ地方で栽培される紅茶です。上品な香りと繊細な味わいが特徴です。
特徴
- 香り: 上品なフローラル香、シトラス香
- 味: 繊細で上品、渋み少なめ
- おすすめの飲み方: ストレートティー
7. ディンブラ
スリランカ中部のディンブラ地方で栽培される紅茶です。華やかな香りと軽やかな味わいが特徴です。
特徴
- 香り: 華やかなフローラル香、柑橘系の香り
- 味: 軽やかで爽やか、渋み少なめ
- おすすめの飲み方: ストレートティー、アイスティー
8. キャンディ
スリランカ中部のキャンディ地方で栽培される紅茶です。まろやかな香りとコクのある味わいが特徴です。
特徴
- 香り: まろやかなフローラル香、ハチミツ香
- 味: コクがあり、まろやか、渋み中程度
- おすすめの飲み方: ミルクティー
9. キーモン
中国安徽省の祁門(キーモン)で栽培される紅茶です。独特の香りと濃厚な味わいが特徴で、世界三大紅茶の一つに数えられます。
特徴
- 香り: 蘭の花香、干し杏香
- 味: 濃厚で力強い、渋み強め
- おすすめの飲み方: ストレートティー
10. ケニア
アフリカ東部のケニアで栽培される紅茶です。力強い香りと鮮烈な味わいが特徴です。
特徴
- 香り: 力強い麦芽香、木質香
- 味: 鮮烈で力強い、渋み強め
- おすすめの飲み方: ミルクティー、チャイ
11. ジャワ
インドネシアのジャワ島で栽培される紅茶です。
特徴
- 香り: 土のような香り、木質香
- 味: 濃厚で力強い、渋み強め
- おすすめの飲み方: ミルクティー、チャイ
まとめ
紅茶の種類は非常に豊富であり、奥深い味わいを楽しむことができます。産地、製法、品種によって異なる特徴を理解することで、自分好みの紅茶を見つけることができるでしょう。
参考情報
- Chef-doeuvre・紅茶の品種:https://chef-doeuvre.shop/blogs/column/varieties-of-tea-plant
- お茶百科・お茶の種類:https://www.ocha.tv/varieties/blacktea_varieties/
- トクバイニュース:https://tokubai.co.jp/news/articles/6595
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