どくだみ茶とは、十薬ともいわれるどくだみの葉を使用した健康茶のことです。どくだみは、江戸時代に貝原益軒(かいばらえきけん)著の「大和本草」の中に「十種の薬の能ありて十薬となす」 と記されています。どくだみは十種だけではなく、もっと多くの効能をもっています。
どくだみの生命力と繁殖力は、他の薬草よりはるかに強く、いくらむしり取っても、根茎が残っていると、翌年は、地面いっぱいになるくらい繁殖します。 野原、空地、路地などどこでも見ることができます。6月頃、白い花が咲き葉は、さつまいもの葉に似ています。
どくだみには独特の臭いがあり、何か毒でも入ってるのではないか?ということからドクダメ(毒溜め)がドクダミへと変化してこの名がついたと言われています。 古来より、民間薬として広く利用されてきました。
どくだみ茶の成分
どくだみ茶には、フラボノイド成分としてのアゼリン、クエルシトリン、イソクエルシトリン、クエルセチン、レイノウトリン、ヒペリン、ルチンやメチルケトン、カプリンアルデヒド、 カプリン酸、クロロフィル、カリウムと臭い成分のラウリルアルデヒド、デカノイルアセトアルデヒド(精油)を含みます。特有な臭いは抗菌成分のデカノイルアセトアルデヒドとラウリルアルデヒドによります。 但し、臭い成分は乾燥すると臭いもその抗菌作用(毒消し)もなくなります。花・葉・果実のフラボノイドは同じで、全草に精油が含まれていると言われています。
どくだみに含まれる成分と主な効能
成 分 名 | 効 能 |
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効 能 | |
クエルシトリン | 利尿、毛細血管強化、血圧調整作用 |
イソクエルシトリン | 血管の壁を柔軟にする |
デカノイルアセトアルデヒド | 抗菌、殺菌作用 |
ハイドロキシスチリルベンザミン | 血液をサラサラにする |
アミノ酸 | 必須アミノ酸8種類を含め、全16種類 |
各種ミネラル | (カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、マンガンなど) |
どくだみに含まれるアミノ酸類
成 分 名 | 効 能 |
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(必須アミノ酸)スレオニン | 腸の働きを高め、新陳代謝を進行させ、脂肪肝を防ぐ |
(必須アミノ酸)リジン | 肉体疲労を回復させて、脂肪分解酵素を活性化 |
(必須アミノ酸)ヒスチジン | 欲中枢に関与、脂肪燃焼の促進、組織の修復と成長 |
(必須アミノ酸)フェニルアラニン | 新陳代謝を促進させ血管を保護 |
(必須アミノ酸)ロイシン | 筋肉組織の修復を助け、血液中の窒素バランスを調整、疲労回復、体力アップ |
(必須アミノ酸)イソロイシン | 筋肉組織の修復を助け、血液中の窒素バランスを調整、疲労回復、体力アップ |
(必須アミノ酸)メチオニン | 血液中のコレステロール値を下げ、活性酸素を取り除く |
(必須アミノ酸)バリン | 筋肉組織の修復を助け、血液中の窒素バランスを調整、疲労回復、体力アップ |
アルギニン | 血行促進、免疫機能の向上、肝機能増強、脂肪代謝促進 |
チロシン | 細胞の老化を抑えたり高コレステロール改善 |
アラニン | 脂肪分解酵素を活性化 |
グリシン | 血中コレステロール濃度の上昇を抑制 |
プロリン | コラーゲンの主要要素で骨や腱、靭帯の生成に必要 |
グルタミン酸 | 尿の合成促進、潰瘍の治癒を早める |
セリン | 皮膚の潤いを保つ天然保湿因子の主成分で肌の老化を防止 |
アスパラギン酸 | 体内の老廃物の処理、肝機能の促進、疲労回復 |
※上記は一例であり、製品により異なります。
どくだみ茶の効能
どくだみ茶の効能の主なものとして、化膿性皮膚炎、膀胱炎、外陰炎、膣炎、食中毒、冷え症、肩こり、水虫、湿疹、にきび、肌荒れ、真菌症などや、解毒、蓄膿症、化膿性のはれものができたとき、 また、葉茎・花補は血行促進、高血圧、動脈硬化、腎炎、膀胱炎、心臓病、脳出血、便秘、尿の出が悪いときなどに効果があるようです。昔からどくだみ茶は毒消しの妙薬として知られています。 悪臭防止効果もあります。
どくだみ茶は毛細血管を強化する
どくだみ茶に含まれるフラボノイド類が、毛細血管を強化する働きがあります。
動脈硬化などで血液の弾力性がなくなると、高血圧を引き起こします。フラボノイド類は、毛細血管の内壁を柔らかくし、強化します。
どくだみ茶は利尿作用がある
どくだみ茶に含まれているカリウムは、過剰なナトリウムを排出させ、体内のミネラルバランスを保つので、高血圧予防にもなり、またむくみにも有効です。
どくだみには強い抗菌作用がある
生のどくだみには強い抗菌作用があり、皮膚疾患に効果をあらわします。生のどくだみの葉をもむか、すりつぶして、青汁をつくって使います。
にきび、湿疹、はれもの、おでき、化膿症、かぶれなどにいいとされています。
どくだみには傷口の回復を早める作用がある
どくだみに豊富にふくまれる葉緑素(クロロフィル)が皮膚組織の再生を促すので、傷口などをきれいに治すといわれています。
昔から化膿したおできなどに、どくだみの生の葉をもんでつけるというやり方がありましたが、葉緑素(クロロフィル)が膿を吸出し、肉芽組織の再生を促すので、回復が早くなるのです。
どくだみには便秘を改善する作用がある
どくだみには天然の食物繊維があり、便秘の解消にいいと言われています。
水溶性の食物繊維は、お腹に入って水分を含み、胃酸で固まり、腸管を通るときに絨毛をキレイに掃除することにより便秘が解消されるのです。
どくだみはお風呂の入浴剤としても…
どくだみは、煎じて飲用するだけでなく、入浴することでも、いろいろな効果が期待できます。市販の入浴剤と比較すると、自然な緩和作用が大きな特徴になります。 血液循環の改善、消炎作用、保温効果が高くなり、冷え性、更年期障害、生理不順、腰痛、アレルギー性湿疹、アトピー性皮膚炎、皮膚病、ニキビ、吹き出物によい。 また、心身をリラックスさせ、血行をよくし、新陳代謝を高め、皮脂分泌を活発にする効果があるとか…。
入浴は、乾燥葉茎を煎じて、液を浴槽に流し込む方法と乾燥したドクダミの葉茎を布袋に入れる方法があります。このあたりはお好みでどうぞ。
※上記はその効果を保証するものではありません。また、個人差があります。
どくだみ茶の飲み方
6~7月の開花期の地上部全草を鎌などで刈り取ってヒモで束ね、雨や夜露の当らない風通しの良い軒下に吊るして陰干し乾燥させる。 便秘・むくみ・オデキ・動脈硬化・蓄膿症などに効果が期待できる。入浴剤にして薬湯にすれば腰痛に効果があるとか。
地産地消を楽しむ:どくだみ茶の作り方
どくだみ茶には市販品もありますが、ご自分でも作ることができます。こちらのサイト(どくだみ茶の作り方) にはどくだみ茶の作り方から、飲み方まで写真付きで掲載してあります。作ってやろうという方には大変参考になります。
※上記は一例です。市販品の場合は説明書に従ってください。
どくだみ茶ご利用上の注意
- 体が冷えたときや体質に合わない人は飲まないこと。
- カリウムが高濃度含まれていますので、腎機能の低下する高齢者、腎機能の低下している患者、カリウム保持性利尿剤、副作用として高カリウム血症を惹起する薬剤等を服用している患者は 高カリウム血症を惹起する可能性があります。
- どくだみによる膿疱性乾癬型接触皮膚炎、中毒疹、苔癬型薬疹、重症型肝障害、急性出血性胃炎、光線接触皮膚炎、光線過敏症の症例報告があります。