杜仲茶の原料である「杜仲」は、中国西南部原産地の樹高20メートルにも達するトチュウ科の落葉高木トチュウの樹皮です。 雌雄異株で、葉はニレやケヤキに似た楕円形、花は緑色がかかった白色で、実は有翼果。20年程度で樹高15m程に成長します。
杜仲の樹皮は漢方薬の原料として使われ、若葉はお茶として利用されています。杜仲の樹皮や枝を折ったり葉をちぎると、白色乳液の滲出がみられますが、 この乳液は、グッタペルカと呼ばれ、天然ゴムとして利用されており、杜仲は寒冷地でも育つ天然ゴムの産出木として知られています。中国では、 古くから杜仲の若葉を干して焙じたものを、 杜仲茶として保健用のお茶として民間で広く飲まれていました。
杜仲茶の成分
杜仲茶の原料である杜仲葉には健康維持に大きな役割を持つ鉄分や亜鉛などの微量元素が含まれている他、 カリウム・カルシウム・マグネシウム・各種ミネラル成分・ビタミン類を含んでいます。
健康維持にはミネラルが欠かせないものですが、ミネラルは身体の中に溜めておくことができない物質ですから毎日、補給することが重要です。 また、さまざまな研究で明らかになった杜仲葉の有効成分にはリグナン化合物の一群としてピノジェノール・ダイグルコサイド、イリノイド化合物の一群としてゲニポシド酸、 そしてアルカロイド・ディリグナン・ペクチンなどが含まれています。
杜仲葉100g中の食品成分
成分名 | 含有量 | 成分名 | 含有量 | 成分名 | 含有量 |
水分 | 2.10% | 鉄 | 49.8mg/100g | タンパク質 | 13.10% |
カルシウム | 1.57% | 脂質 | 6.50% | ナトリウム | 8.55mg/100g |
繊維 | 11.60% | カリウム | 1.36% | 灰分 | 2.50% |
マグネシウム | 368mg/100g | 無水カフェイン | 検出せず | 亜鉛 | 29.4ppm |
タンニン | 208mg/100g | 全ペクチン | 3.70% | リン | 49.8mg/100g |
※上記は一例であり、製品により異なります。
杜仲葉のビタミン類分析試験結果
成分名 | 含有量 | 成分名 | 含有量 |
総カロチン | 7.5mg/100g | サイアミン(ビタミンB1) | 0.04mg/100g |
リボフラビン(ビタミンB2) | 0.59mg/100g | ビタミンB6 | 1.96mg/100g |
総トコフェロール | 26.9mg/100g | - | - |
※上記は一例であり、製品により異なります。
杜仲茶の効能
健康茶は、漢方薬と同じように「即効性」を期待できるものではありません。健康茶を飲用して、疾病から身体を守り、健康維持に役立てるためには、 毎日一定量を着実にねばり強く飲むことが是非とも必要です。そのためには、健康茶はある程度まとめて作り、大きな容器に保存しておき、 飲むときに少しずつわかして飲むことが簡単で面倒がないでしょう。(但し、日持ちのしない健康茶もありますので、あくまで一般論として考えてください。)
漢方で用いる薬物の書物である「本草書」には必ず杜仲が記録されています。「人参」「鹿茸(鹿類の幼角)」「杜仲」が“三大名薬”とされています。 1976年に出された中国の研究機関による年次報告書には、杜仲に関して次のように記されています。
- 血圧を緩やかに降下させ、血行障害を改善する。
- 利尿効果があり、腎臓病にも治癒効果がある。
- リウマチや神経痛のような関節痛に対して効果がある。
- 鎮痛剤としても認められる。
杜仲の血圧調整作用
人間にとって、排泄という生理作用も非常に大切なものです。尿や大便の排泄がスムーズに行われず、俗に言う「便秘」の状態になると、老廃物が体内に滞ることになり、 腹痛や頭痛、めまいなどの不快な症状を招き、さらに血圧を高めたり、血液が濁ったりして万病の原因ともなってしまいます。
杜仲茶の有効性分ピロレジノール・ジグルコサイドの作用が、体内の不要な水分や塩分を排出させる為、心臓や肝臓などの負担を軽減し、むくみをとり、血行障害にも有効なのです。 杜仲茶の浄化作用が、血管に行き渡り、うっ血を取り除くからでしょう。
杜仲の鎮痛作用
中国薬理院は「杜仲は高血圧に効果があるだけでなく、鎮痛剤としての働きもある」と認めています。中国ではガン患者に対して杜仲や霊芝の大量投与を行い、痛みをやわらげているそうで、 これは杜仲に血行障害を取り除く作用、鎮静作用があるためでしょう。
同じ理由から、リューマチや関節痛、神経痛、生理通、スポーツによる痛み、筋肉疲労などにも効能が認められています。杜仲の持つ「うっ血除去」の効能は、腰痛の治療にも役立ちます。 腰痛の原因で最も多い脊髄静脈のうっ血は、血液中の老廃物により、血栓(血液のかたまり)やコレステロールが血管壁に付着することから起こります。杜仲には、抹消血管を拡張する働きがあり、 血栓やコレステロールを溶かし、除去するのです。
除去された老廃物は尿となって排泄され、新しい血液を送り込むことができます。そして、新陳代謝が活発になって体内の細胞がイキイキとしてくるわけです。 古来より杜仲を「不老長寿」の薬として大切にされてきたのも、この細胞活性化作用が認められていたからでしょう。
杜仲は二日酔いの予防にも効果が…
深酒をした翌朝など、激しい頭痛や嘔吐感にさいなまれ、どうにも身体がつらいものです。お酒と杜仲茶を交互に飲んだり、ウイスキーを杜仲茶割りにしたり、あるいは飲酒の後、 帰宅してから杜仲茶を飲んだりすると、悪酔い、深酔い、二日酔いになりにくくなります。(お酒はほどほどにするのが一番いいのですが…。)
この効果は実に顕著で、杜仲茶の持つ利尿作用が、アルコールをすばやく体外へ排出させること、そして杜仲茶の成分アルカロイドが神経を鎮静させること、 さらに杜仲茶に含まれているビタミンCが体調をスッキリ整えることなどの効果によって、少し飲み過ぎたかなっというときでも、翌朝はスッキリとした気分で、思いのほか早く体調が回復します。
※上記はその効果を保証するものではありません。また、個人差があります。
杜仲茶の飲み方
杜仲茶の茶葉を急須に入れてお湯を注いで5分程抽出すると杜仲茶の出来上がりです。
ティーバックの場合でも同じようで大丈夫でしょう。でも、一応説明書を読んでくださいね。
濃い杜仲茶をお望みの場合は、杜仲茶の茶葉を多めに、抽出時間も長めにすると良いでしょう。杜仲茶ダイエットの要領は通常の緑茶(日本茶)を入れるのと同じですから、 あとはご自身の好みに合わせた濃さの杜仲茶をお作りください。これを飲めば、その時点から“杜仲茶ダイエット生活”の始まりです。
※できあがった杜仲茶は、残念なことに日持ちしません。作り置きをする場合でも1日分程度とし、早めに飲み終わるようにしてください。
杜仲茶は毎日続けて飲むことがポイント!
杜仲茶はあまりクセがなくて、サラッとした飲み口なので、小さい子供さんからお年寄りまでお飲み頂けます。また杜仲茶はノン・カフェインなので就寝前に飲んでも一向に差し支えありません。 この杜仲茶に薬効を期待するには、多少濃い目にしたほうがよいと述べましたが、できれば飲む量も1日にコップ5杯分以上を目安に、飲んでみて下さい。
杜仲茶は何らかの効果の即効性があるものではありません。 杜仲茶をちょっと飲んですぐに何の効果もないからということで、途中でやめてしまわず、できれば数ヶ月は」毎日杜仲茶を続けてお飲みになることをお奨めいたします。
また、お好みにより、杜仲茶に「ウイスキー、焼酎割り」「蜂蜜をブレンドして」「レモン汁を絞って」「ほかのお茶とブレンド」等々各自で楽しんでみてください。
※上記は一例です。市販品の場合は説明書に従ってください。
杜仲茶ご利用上の注意
杜仲茶には「カリウム」が含まれていますので、医師からカリウムの摂取制限を受けている方は、杜仲茶を飲用する前に、まず医師にご相談ください。