美味しく飲めてさらにリラックス効果や消化促進につながるとされているジャスミン茶はとても魅力的な飲み物ですね。
ジャスミン茶は、釜入りした緑茶にジャスミンの新鮮な花の香りをつけたお茶のことを言います。中国では“花茶”と呼び、中でもジャスミン茶は北京など中国北部を中心に日常的に飲まれています。
ベースとなるお茶の種類・ランク・ジャスミンの花の種類・加工の方法の違いによって、たくさんの種類のジャスミン茶があり、ベースになるお茶は、中国では緑茶が、 台湾では緑茶に近い清茶(包種茶)と呼ばれる烏龍茶がベースに作られています。また、ジャスミン茶に使われるジャスミンの花としては、“マツリカ” と呼ばれるアラビアンジャスミンが有名です。
中国の宋朝(西暦960年-1279年)では、ジャスミン花は人々に「避暑の香花」として親しまれていました。宋代の宮廷では、 夏にたくさんのジャスミンを集め、皇帝の住む庭にたくさん植え、皇帝を夏の暑さから守っていたと言われています。 ジャスミンからできたお茶は、中国では花茶(ファチャ)と呼ばれ、その変わった作り方と芳醇な香りから、あっという間に中国全土に広がりました。
ジャスミン茶が、古くから不老長寿の妙薬としても愛飲され続けてきた理由は、人が飲むとすごく爽やかな気分になることからのようです。
ジャスミン茶の成分
伊藤園 ジャスミン茶特有の香り成分の特定とその特性を検証(H13.9.14)研究結果より抜粋しています。
本研究には中国福建省産のジャスミン茶と、その原料となるジャスミンの花、緑茶をサンプルとして使用し、それぞれの香り成分をガスクロマトグラフィーにより明らかにするとともに、 それらの関連性について研究しました。
その結果、ジャスミン茶の香りの主要成分としては
- benzyl alcohol(ベンジル アルコール)
- benzyl acetate(ベンジル アセテート)
- linalool(リナロール)
- z-3-hexenol(シス・スリー・ヘキセノール)
- methyl anthranilate(メチル アンスラニルレイト)
- indole(インドール)
という物質が検出されました。
一方、原料の花からは
- linalool、benzyl alcohol(リナロール)
- methyl anthranilate(メチル アンスラニルレイト)
- z-3-hexenyl banzoate(シス・ツリー・ヘキセニル ベンゾエイト)
緑茶からは
- benzyl alcohol だけでなく
- 2-phenyl ethanol(ツー・フェニル エタノール)
- β-ionone(ベータ・ヨノン)
- acetyl pyrroll(アセチル ピロール)
という物質が確認されました。
これらのことから、ジャスミン茶の香り成分は単に原料の緑茶と花の香り成分が合わさっているのではなく、その製造過程で何らかの香気変化が起きており、 別の物質が形成されていることが示唆されました。
また、希釈法などによりジャスミン茶の各成分の香り全体に対する影響を検証いたしました。
その結果、methyl anthranilate と linalool、特に (R)-(-)-linalool という光学異性体の寄与度が高いことも確認いたしました。linalool にはR、Sの光学異性が存在しますが、緑茶や他の花茶ではS体が優位であるのに対し、 R体が優位であるのがジャスミン茶の特徴とも言えます。
ジャスミン茶の効能・効果
日本でも中華料理店にいくとジャスミン茶は頻繁に出されています。ジャスミン茶は「におい消し」や「消化促進」として受け取られていますが、ジャスミン茶の効能はそれだけではありません。 ジャスミン茶には、ビタミンC、E、そしてミネラルが豊富に含まれています。そのため、
- 気分転換
- リラックス効果
- 不安や悩みの軽減
- 美容
などの効能があるのです。
ジャスミン茶のビタミンC
特にビタミンCの量は、ジャスミン茶3杯分でりんご一個分の量にもなります。また、ジャスミンの香り成分「ベンデルアセテート」は注目すべき成分です。 その香りをかぐことで右脳を刺激し、自律神経の緊張を緩和させ、集中力やストレス解消につながる事が科学的に証明されています。
また、ジャスミン、 緑茶に関して研究をしている愛知大学医学部の奥田拓道先生らの実験によると、ジャスミン茶を与えることによって高脂肪食の長期間摂取によるネズミの体重増加が抑制される事が確認されました。 その実験から脂質吸収抑制作用(膵臓リパーゼ抑制)と脂肪分解促進作用があることがわかっています。
ジャスミン茶のアロマセラピー効果
キンモクセイ科の植物で白く小さな花を咲かせるジャスミン。
この白い花の芳香には「ベンゼルアセテート」「リナロール」などの成分含まれています。この成分の作用として、爽やかな気分に誘ってくれる効果があるそうです。
ジャスミン茶にもそのようなアロマセラピー効果が期待できるでしょう。
ジャスミン茶で消化促進
ジャスミン茶にはミネラルやビタミンが豊富に含まれています。
これら成分が胃腸に働きかけて消化を促進する働きがあるとされています。
※上記はその効果を保証するものではありません。また、個人差があります。
ジャスミン茶が女性にもたらすウレシイ効果
ジャスミン茶には女性にうれしい効果がたくさんあります。
脂肪吸収効果
ジャスミン茶はダイエットにも効果的です。
ジャスミン茶に含まれるタンニンが脂肪の吸収を抑える働きをしてくれます。さらにカフェインが脂肪を分解するための酵素であるリパーゼを活発にさせる作用があることから血行促進の効果も期待できます。中華料理など脂っこい料理を食べる際にはジャスミン茶が最適です。
ホルモンバランスを整える効果
生理などで乱れてしまったホルモンバランスで体調が優れないとき、ジャスミン茶の香り成分がいやしてくれるといわれています。また、生理不順などにも効果があるとされています。
消臭効果
ジャスミン茶のカテキンが消臭効果を持つため、口臭や体臭を和らげてくれる効果が期待できます。
リラックス効果
ジャスミン茶の特徴ともいえる香り成分「ヘンゼルアセテート」が脳内の伝達物質であるドーパミンを活性化するこでリラックス効果があると言われています。
お茶と一緒にアロマを感じることで身体が温まり、よりリラックス効果が得られます。
美肌効果
ジャスミン茶にはビタミンCやビタミンE、ミネラルなど美肌効果に役立つ成分が豊富に含まれています。ビタミンCとビタミンEは一緒に摂ることによって相乗効果が得られるといわれています。
ジャスミン茶(工芸茶)の飲み方
ジャスミン茶の湯気とともに香りたつ時、暖かい気持ちに包まれます。
- ガラスの器を準備する。
- ジャスミン茶(工芸茶)を1粒入れます。
- 熱湯をカップに注ぎます。(お湯の量はお好みです)
- 適宜蒸らします。蒸らす時間はお好みで調節して下さい。
- 花が開きましたら、出来上がりです。
花が開きましたら、何も加えずにそのままジャスミン工芸茶お飲み下さい。お茶は全部飲みきらず、少なくなったらお湯をつぎたしてお飲み下さい。 10分以上放置しておいても濃くなりすぎて飲めなくなる事は有りません。
3~4煎はお楽しみいただけます。渋みが無く、濃くなっても淡いままでも美味しく飲めます。
ジャスミン茶は、熱いまま飲む事はもちろん、冷たくしても美味しくお飲みいただけます。また、蒸らす時間はお好みで調節して下さい。
※上記は一例です。市販品の場合は説明書に従ってください。
ジャスミン茶ご利用上の注意
- ベースになっているのが「茶葉」である以上、飲みすぎが良くないというのは当然です。(これはジャスミン茶に限定された話ではありません)
特に空腹時に濃いお茶を飲むのはお勧めできません。 - 前夜に入れた出がらしを翌日飲むことは、胃を荒らす事も考えられますので控えましょう。