カフェインの代表的な効果・効能
カフェインは、お茶に含まれる成分ではタンニンの次に多い成分です。
カフェインは、大脳などの中枢神経に興奮を与え人体を刺激することから
- 覚醒作用
- 血管拡張作用
- 交感神経刺激(基礎代謝促進)
- 胃酸分泌促進作用
- 利尿作用
などの活性化が得られる物質としてご存じの方も多いことでしょう。
カフェインが眠けを防いで知的作業能力を向上させたり運動能力を向上させたりといった効果もあります。
また、運動の前にカフェインを適量摂取したあとで運動を行うと筋肉に蓄えられているグリコーゲン(ブドウ糖)より先に脂肪をエネルギーとして利用することにより持久力の向上がはかられます。
カフェインはアルコールの代謝を高める作用もあるため二日酔いにも効果があると言われています。
コーヒーに引けを取らないお茶のカフェイン
カフェインといえばコーヒーを思い浮かべる人が多いでしょうが、お茶もコーヒーに負けないくらいのカフェイン含有率を誇ります。 感覚的にコーヒーの方が目覚めがよい、スッキリハッキリするというのは、コーヒーの苦みが影響しているのでしょう。
カフェインを含んでいるお茶
各種のお茶のカフェイン含有量を示します。
玉露がずば抜けてカフェインの量が多いことがわかります。
- 烏龍茶: 20mg
- 玉 露:160mg
- 釜炒り茶: 10mg
- 玄米茶: 10mg
- 番 茶:10mg
- ほうじ茶: 20mg
- 紅 茶: 30mg
- 煎 茶:20mg
※抽出液100ml中
カフェインを含まないお茶
ほとんどのお茶にはカフェインが含まれているのですが、茶の木以外の植物で作られたお茶にはカフェインが含まれていないものもあります。ノンカフェインですので、就寝前のお子様や妊婦さんでも安心して飲むことができます。
以下のお茶はノンカフェインとなっています。
- ルイボスティー
- 麦茶
- そば茶
- 杜仲茶(とちゅうちゃ)
- たんぽぽ茶
- 黒豆茶
- コーン茶
カフェインの薬理作用
カフェインは、神経を鎮静させる作用を持つアデノシンという物質と化学構造が似ており、アデノシンが本来結合する場所(アデノシン受容体)にとりついてアデノシンの働きを阻害することにより神経を興奮させます。
コーヒーは、適切に摂取すれば、がんを抑えるなど、死亡リスクが減少する効果があるという科学的データも知られていますが、カフェインを過剰に摂取し、中枢神経系が過剰に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こります。消化器管の刺激により下痢や吐き気、嘔吐することもあります。
長期的な作用としては、人によってはカフェインの摂取によって高血圧リスクが高くなる可能性があること、妊婦が高濃度のカフェインを摂取した場合に、胎児の発育を阻害(低体重)する可能性が報告されています。
(参考)
国立がん研究センター コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について(外部リンク)国立がん研究センター コーヒー摂取と肝がんの発生率との関係について(外部リンク)
オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ):Report from the expert working group on The safety Aspects Of Dietary Caffeine(2000)(PDF : 466KB)(外部リンク)
カフェインの代表的薬理作用
- 平滑筋を弛緩させることによって気管支喘息や狭心症の改善に作用する(効果は弱いです)
- 大脳皮質に作用して精神機能、知覚機能を刺激する結果、眠気や疲労感を取り除き、思考力や集中力を増す
- 中枢神経に作用し、呼吸機能や運動機能を高める
- 心臓の収縮力を高めることによる強心作用(低血圧を一時的に改善)
- 腎臓に作用して利尿効果を促進する
- 胃液分泌を促進し、消化を助ける
- アセトアルデヒド(二日酔いの原因)の排泄を促進する。(二日酔いの頭痛に効果)
- 脳内の血流を良くすることによって、脳血管性の偏頭痛を静める
- ボケやパーキンソン病の予防効果
カフェインの有害性
カフェインは興奮作用があるからでしょうか、有害で体に良くないと考えている方も多いようですがそうではないのです。確かに飲みすぎは良くありませんが、 それは全ての食品にいえることでしょう。
カフェインも摂取の方法さえ間違わなければすばらしい効果を得ることができるのです。特に、お茶からカフェインを摂取すると、 ゆっくりと穏やかに効果が現れるので好ましいと言えるでしょう。
しかしカフェインを過剰摂取すると次のような精神症状を引き起こす場合があります。
- めまい
- 吐き気
- 下痢
- 興奮
- 不安
こうした症状が現れたときは、ただちに医療機関で受診するようにしてください。
カフェインの摂取量の目安
カフェインは過剰に摂り過ぎると上記のような健康に悪影響を及ぼすことがあります。そのため、世界保健機構(WHO)などでは1日のカフェイン摂取量を定めています。
農林水産省のサイトにも「カフェインの過剰摂取について」の記載があります。
妊婦の場合
胎児に対してカフェインがどのような影響があるのかハッキリとしない面もあるのですが、流産や新生児の体重減少などへの悪影響を防ぐため、妊婦のカフェイン摂取量は1日あたり300mgを上限とすることを推奨しています。
子どもの場合
子どもの場合は成長も早く年齢による体格の差が大きいことから、体重に対しての摂取量が定められています。体重1kgあたり1日の摂取量を2.5mgと定められています。
体重10kgの子どもでは1日あたり25mg、20kgでは50mgといった按配になります。
大人の場合
大人の場合、男性では1日あたり400mg、女性では1日あたり300mg程度が目安の量と定められています。
カフェインの摂りすぎに注意
カフェインが含まれているのはお茶だけでなく、コーラやコーヒー最近流行のエナジードリンクなどにも結構な量のカフェインが含まれています。それらも参考にしながらカフェインの摂りすぎには注意しましょう。